傾斜ステージを使用した穴入口バリ検査治具の改善
2023年08月31日
樹脂成形メーカーの検査工程で使用中のバリ検査治具の改善事例です。
課題:ワークを手で持っているため手振れにより検査しづらい状況でした。
ワークにある2個の穴の入口を1個ずつバリの検査をしています。ワークを手で持って顕微鏡を覗き検査します。
顕微鏡を覗きながら穴の入口にピントを合わせますが、手振れしてピントがズレたり、ワークの位置も不安定なため検査しづらく目も疲れます。
解決!傾斜ステージの使用で手振れが無くなり検査しやすくなりました。
ワークにある穴は加工面対して傾いてあいているため、傾斜ステージを使用して傾きを補正しました。
また、検査する穴をスムーズに変えられるようワークガイドを傾斜ステージに装着しました。1個目の穴の検査後、ワークを手でスライドさせ2個目を検査します。
手で持っていた従来よりも安定した検査が可能になりました。
傾斜ステージ(AIC-60)の特徴
- 簡易構造で低価格の傾斜するステージです。操作つまみと傾斜角度固定のストッパーを装備しています。
- ステージ面:40mm × 60mm
- 移動量:±20°
- 耐荷重:29.4N (3kgf)
- 自重:0.22kg
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:ワークを少しだけ動かすのにフロントロックステージを採用しました。
1個目の穴の検査後、2個目を検査する時にワークをワークガイドに沿って手でスライドさせます。この方法は、ちょうど良い位置で止まれば良いのですが、行き過ぎたり足りなかったりします。
また、ワークを少しだけ動かしたい時には不向きです。傾斜ステージの上にフロントロックステージを装着しました。これにより、少しずつ動かすことができるためより検査しやすくなりました。