2013年12月の記事一覧
真空ピンセットを使用したシャフト梱包作業の改善
切削加工メーカーにおける、微細部品(シャフト)梱包の作業改善事例です。
課題 : シャフト梱包の作業性が悪く、出荷台数が上がりません。
ワークであるシャフトを50本ずつ袋詰めにして出荷していましたが、客先から要望があり、専用トレイに1本ずつ収納して出荷するようになりました。そのため、シャフトを一本ずつトレイに納める作業が必要です。
先端に滑り止めを施したピンセットを使用して作業していますが、それでも細い形状のシャフトは大変つかみづらく、慣れた作業者でも所定の位置に入れるのは難しい作業です。シャフトの中央付近をつままないとうまくトレイに収められません。
また、シャフトをつかんで移送する途中に落下させてしまうこともしばしばで、ワークのトレイ外の机上に転がったりしますと、落としたシャフトをピンセットでつかむ作業はさらにやりにくく、積み重なると作業時間の大きなロスとなっていました。
梱包仕様の変更(袋詰め→専用トレイ)以降、以前に比較して想定以上に梱包の作業工数が膨らみ、とても困っていました。
解決! 真空ピンセットの採用で作業性が向上、生産台数もアップしました。
真空ピンセットの採用で、シャフトのハンドリングが簡単かつ確実に行えるようになりました。
「つかむ/はなす」の操作は、真空ピンセットのシャッターボタンを押したり離したりするだけなので、つかも時も、専用トレイに納める時も、とても簡単に、正確に作業できます。ワークが細い円柱状のであるシャフトであるため、特に難しかった「つかむ」作業については、先端アタッチメントには吸着口が楕円型になっているタイプを採用することで、より確実に吸着できるようになりました。
以前のピンセットのように、つかむ力加減や作業者の疲労といった要素もなくなった(ボタンの押し/離しのみ)ため、シャフトを途中で落下させてしまうこともなくなりました。
結果、滑り止め付きピンセットによる作業時よりも格段に作業性が向上、日々の出荷台数も計画通り達成できるようになりました。
真空ピンセット「エアーピット」(N/O タイプ)の特徴
- ワークはシャッターボタンを押すと吸着、離すと落下します( 吸着、落下が逆仕様の N/O タイプもあります)。
- 風量調節機能により、スムーズな吸着・離脱をコントロールできます。
- 標準先端アタッチメントは材質3種類・穴径17種類をラインナップ。球状・棒状・平面板 など、あらゆる微小部品の吸着に効率よく対応できます。
応用のポイント:先端アタッチメントの選び方
ワークの吸着/離脱の作業性や確実性には、選択する先端アタッチメントの穴径・材質・形状が大きく影響します。特に、重量がほとんど無いような超軽量微小部品の取り扱いでは、離脱がスムーズにできない場合があります。このような時には、注射針タイプの極細穴径アタッチメントを選択し、風量調節ネジを大幅に緩めるか取り外してご利用いただくと、大きく改善します。