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2014年11月の記事一覧

グリスレスステージを使用したゴム伸縮検査治具改良による品質改善

2014年11月29日

ゴム成形メーカの検査工程で使用している検査治具の改善事例です。

課題 : ステージに塗布されたグリスが製品に付着してしまう!

ワーク(製品のゴム)を、既定の長さに伸ばした時の張力が規格内であるか、フォースゲージを用いて検査しています。

ご納品先のお客様より、「油のような汚れが付いている」とクレームがあり調査したところ、ゴムをフォースゲージのフックとステージにあるシャフトにセッティングする時、もしくはそれらから外す時に、ステージのラック部に塗布しているグリスが付着してしまうケースがあることが確認できました。

しかしながら、ステージの滑らかな摺動を維持するためには、グリスを塗布するメンテナンスが必要でした。
そのため、ワークへのグリス付着問題の対策として、「作業注意」で対応しました(つまり、「グリスが付着してしまう事があるので、注意しましょう。」と各作業者に伝えるのみの対処でした)。

ただ、治具の機構上の、グリス付着の問題が根本的に解消されないまま、作業者の注意力や意識に頼った方法では、やはり問題を解消できず、再発が確認されてしまいました。

それぞれの作業者は良く注意して努力はしてくれていたものの、残念なことに、出荷前の外観検査でグリスが付着したものが発見されました。

解決! グリスレスステージにして、製品へのグリス付着が無くなりました!

グリスレスのスケルトンステージを採用。ワークへのグリス付着の問題がなくなりました!

確実な対策の必要を感じ、そもそもグリスが付着しようのない治具を制作できないかと模索していたところ、グリスレスのステージがあることを知り、採用することにしました(ミラック光学製『スケルトンステージ』)。

グリスレスのスケルトンステージの採用で、ワークの付け外しにおいてグリスが付着することが皆無になり、お客様からのクレームもなくなりました。

樹脂製のステージの採用は初めてでしたが、グリスが無くても従来の金属製ステージと遜色なく滑らかに摺動するため、はじめから違和感なく検査することができました。

その上、金属製のステージでは必要だった、定期的に適量のグリスを塗布する、といったメンテナンスもすべて不要になりました(グリス付着の問題があったため、「塗りすぎないように、必要最低限の量を・・・」と注意して作業していたため神経を使いましたし、頻度も多くしていました)。

本来の作業目的である、ワークの張力検査の結果に集中して作業できるようになり、かつ安心して出荷できるようになりました。

スケルトンステージ (SK-60R) の特徴

  • グリスレス - 樹脂が持つ自己潤滑性により、グリスを使わずに滑らかな摺動を実現。
    メンテナンスフリー。
  • 自重 : 0.11 kg (アルミ製と比較して1/2の軽さ)
  • ステージ本体 : PMMA(アクリル)⇔ XYステージ 他 全ステージはアルミ合金製
  • ステージ面 : 40x60mm
  • 移動量 : ±21mm
  • 目盛最小読取り : 0.1mm
  • ハンドル一回転の移動量 : 18mm
  • 耐荷重 : 16.9N (2.0kgf)
  • カラー : クリア ・ 赤 ・ 青 ・ 黄色
応用のポイント:他にも、従来のアルミ製ステージにはない下記の特徴があります。
  • 防錆性 部品は全て樹脂製であるため水や塩水などに濡れても錆びない。
  • 非磁性 磁性を持たないため磁気を嫌う用途に最適。
  • 耐候性 屋外や水中でも使用可能。

あるお客様からのリクエストで生まれた製品ですが、各方面から多くのご支持をいただき
ました。防錆・磁性・耐候性でお悩みのユーザー様にもお勧めできる製品です。

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