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検査顕微鏡によるゲート残り検査

2013年04月10日

日用雑貨部品の成型メーカーにおける検査工程での作業改善事例です。

課題: ゲート残りを目視検査していますが、検査ミスが多く発生します。

 

ゲート残り検査。ワークを手に持ち、目視での検査のため、微小なゲート残りの検査ミスや、作業員間の判定のバラつきが問題だった。

成型で発生するゲートを前工程でカットしていますが、ニッパーを使ってカットしているため、どうしてもカット残りが発生します。

そのため、次工程で決められた通りにカットできているか検査していますが、ワークを手に持って目視での検査なので、検査員相互の判定にバラツキがあります。

さらに、ある程度大きいゲート残りであれば目視でも分かりやすいのですが、小さなゲート残りとなると目視では発見しづらく、判定にも迷うことが多いため、品質の向上・安定化のための大きな障害になっています。

過去には検査ミスが多発し、誤ってNG品を出荷してしまい、お客様にご迷惑をおかけしたこともありました。その後も検査ミスが出るたびに十分な注意と、より慎重な検査を呼びかけてきましたが、根本的な解決はできずに来てしまいました。

それぞれの作業員は検査の重要性をよく理解し、慎重に検査してくれてはいると思うのですが、根本的なゲート残り対策ではないため、検査ミスの発生率をある一定以下に下げることができません。

解決! 検査顕微鏡を採用し、微小なゲート残りにも確実に対応!

検査顕微鏡を採用し、ワークと顕微鏡を同じ台座に固定して拡大して検査。検査制度が大幅に向上し、作業員間の判定のバラつきも解消!

大きいゲート残りはもちろん、発見・判定の難しかった小さなゲート残りにも確実に対応できるよう、拡大して検査できる検査顕微鏡を採用しました。

また、ワークを手で持つこともやめ、顕微鏡と同じ台座に置いて検査するようにしました。これにより、検査対象を固定した状態で、一定の向きで拡大して検査できるようになり、検査員相互の判定のバラツキや検査ミスが無くなりました。

また、カットを担当する作業員にも顕微鏡を覗いてもらう事で、ゲート残りの状況をより的確に作業部門にフィードバックできるようになりました。これにより、カット作業そのものの作業品質の向上、ゲート残りゼロの徹底も図ることができました。

検査顕微鏡 (M-90) の特徴

  • レンズ系は明るく実視野が広い完全正立像式の検査顕微鏡です。
  • 接眼レンズに対して対物レンズが直角に配置されているため、ワーク側面の観察に最適です。
  • 接眼レンズに視度補正機能がついています。視力に合わせた目盛線のピント合わせが可能です。
  • 顕微鏡本体に接眼レンズ(10倍)と対物レンズ(2倍)を付属した最もシンプルな顕微鏡ユニットです。
  • 顕微鏡の設置(固定)は、摺動ホルダーや専用スタンドを使用してお好みのシステムにすることができます。
応用のポイント:より拡大して見たい時はズームレンズを

ズームレンズを使用すれば、より大きく拡大しての観察が可能です。弊社製ズームレンズ(0.7倍~4.5倍)と対物レンズ(10倍)を組み合わせ使用することにより総合倍率7倍~45倍まで拡大できます。さらに、オプションの接眼レンズ(20倍)と組み合わせれば総合倍率は14倍~90倍まで拡大可能です。

【注】ズームレンズを使用し、接眼ミクロメーターで計測して得られた測定値は、検査の仕様に見合った十分な正確性が担保できないケースもございますので、あくまで目安としてお取扱い下さい。精度を必要とする計測には、固定倍率対物レンズを使った顕微鏡をご利用下さい。

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