"二軸(XY)ステージ" タグの付いた記事一覧
スライド操作式アリ溝ステージを使用した歯車形状検査治具の改善
プレスメーカーの形状検査工程で使用している治具の改善事例です。
課題:ワーク置台を動かして検査していますが、作業性がよくありません。
プレスした歯車の形状を検査しています。Wi-Fi 顕微鏡の下で、ワークの乗ったワーク置台を縦・横・斜めの見たいところに移動させ検査しています。
ワークを少しだけ動かしたい時に動かし過ぎたり、真横に動かしたい時に斜めに動いたりするため、作業性がよくありません。
解決!ステージを使用して検査することで、作業性が向上しました。
ワーク置台をスライド操作式アリ溝ステージに乗せてワークの移動をさせます。従来のステージと異なりハンドル操作がないため、操作つまみを握ってスライドさせます。
アリ溝の滑らかな摺動により、少しの移動もスムーズにでき、真横への動きも確実にできるため、作業性が向上しました。また、ロック機能を使うことでワークの位置を固定することもできます。
スライド操作式アリ溝ステージ(XYMA-60)の特徴
- ステージ面は、操作つまみにて摺動させます。操作つまみは、ストッパー用ねじと兼用で、位置固定でも使用します。
- ステージ面:60mm×60mm
- 移動量:±21mm
- 移動精度(真直度):30μ
- 移動精度(運動時平行度):30μ
- 自重:0.265kg
- ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:スライド操作式アリ溝ステージは、送り機構のないステージです。
手動ステージには、一般的にラック&ピニオンや送りねじ等の送り機構が備えられていますが、スライド操作式アリ溝ステージには送り機構がありません。
そのため、ハンドルを回して操作するのではなく、ストッパー兼用のツマミをスライドさせて操作します。
スライド操作式アリ溝ステージは、送り機構がないので、コンパクトかつ低コストのステージです。
豊富なラインナップよりお好みのステージをお選びいただくことができます。また、デモ機の貸し出しも行っています。是非、ご利用ください。
ロングステージを用いた部品ねじ止め治具の改善
日用品生産メーカーの部品組立工程で使用する治具の改善事例です。
課題:マグネットスタンドでは、ねじ止め位置の微調整が困難でした。
ワークAとワークBを2本のねじで締結して組立てます。生産機種の切り替えで、組立て後の全長を変える必要がある場合に、ねじ止め位置の変更を行います。
ねじ止めの位置は、ワークA置台に対するマグネットスタンドの位置で設定します。
マグネットスタンドは、マグネットのON/OFF操作時に位置がずれることがあるため、ねじ止め位置の微調整がしづらく作業性がよくありませんでした。
解決!ロングステージ等を使用して、位置の微調整が容易になりました。
マグネットスタンドの使用をやめて、ロングステージと小型ステージを組合せた2軸ステージに変更しました。
ワークの長手方向と幅方向にそれぞれ移動可能なステージを設置したことで、ねじ止め位置の微調整が容易に出来るようになり作業性が向上しました。
各ステージのハンドルを回して位置が決まれば、ロックレバーにて位置を固定させます。
ステージでは、マグネットスタンドのON/OFF操作時のように設定した位置がずれる事はありません。
ロングステージ(XLSR-150)の特徴
- 軽量・スリム(全長 150mm)・長ストロークのステージです。
- ハンドル1回転の移動量:18mm
- ステージ面:25mm×42mm
- 移動量:±65mm
- 自重:0.17 kg
- ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
- 表面処理:梨地黒アルマイト
- 全長 100mm のロングステージ(XLSR-100)もあります。
応用のポイント:ご要望に応じて、既製ステージもカスタマイズいたします。
当初の構想では、2軸ステージを2組使用する予定でしたが、ひとつのステージを共用にすることでステージ数の削減(コスト低減)を実現しました。
ロングステージの標準仕様はステージ面1個ですが、今回はステージ面2個使いの特別仕様にしました。
お客様のご要望が実現可能であれば、既製ステージであってもカスタマイズ致します。どうぞ、お気軽にご相談ください。
薄型XY回転ステージを使用した外観検査治具の改善
部品メーカーにおける出荷前の外観検査工程での検査治具の改善事例です。
課題 : ワークが変わるたびにターンテーブルの位置を変更、ボルトの締結が面倒!
ワークをターンテーブルの上に載せ、回転させて外周の外観を検査しています。
ワークが変わるたびに、ターンテーブルの位置変更が必要です。この時、ボルト8本を
緩めてテーブル置台の位置を修正し、最後にボルトを締めます。
ボルトを締める際に、テーブル置台がずれることもあり少しずつゆっくり締める必要
があります。そのため、テーブル置台の位置修正は面倒かつ時間がかかります。
解決! 薄型XYステージを採用、作業性アップと省スペース化を実現!
ターンテーブルとテーブル置台の替わりにXY回転ステージを使用することにしました。
各軸にあるストッパーを緩めてハンドルを回し、ワークの位置が決まったらストッパーを
かければ作業完了です。
これまでのように、わずらわしいボルトの作業が無いので非常に簡単、短時間で位置
決めと固定が出来るようになりました。さまざまな形状のワークでも同様(簡単・短時間)に
位置決めと固定が出来ます。
また、改善前のターンテーブルの位置決め作業では、ボルトを締める際に決めた位置が
微妙にずれてしまうなど、作業に習熟している必要があったため限られたスタッフにしか
出来ませんでした。薄型XY回転ステージに変更後は、ハンドル操作だけで正確で微小な
位置調整が、誰にでも簡単に出来るようになりました。その結果、ワークの切り替えロス
時間も少なくなりました。
さらに、薄型XY回転ステージはテーブル置台と比べコンパクトな大きさなので、作業
スペースがスッキリし気持ちよく作業できます。
薄型XY回転ステージ(XYR-60)の特徴
- 従来品の組合せより約半分の薄型(高さ45mm)で、外観が円盤形状のコンパクトな一体型複合機能ステージです。
- ステージ面:φ60mm
- 移動量:(XY方向) ±21mm (回転方向) 360°
- ハンドル一回転の移動量:4.2mm
- 耐荷重:34.3N (3.5kgf)
- 自重:0.39 kg
- ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
- 表面処理:梨地黒アルマイト
約半分の薄さを実現!
薄型XY回転ステージ(XYR-60)は、従来の組合せステージの約半分の高さ(当社従来比)を
実現しました。あるお客様から、「低くてコンパクトなステージを!」とのリクエストを
いただき開発された製品です。
XYステージと回転ステージを中継ブロックを介して組み合わせる従来の方法では、高さが
93mmありました。これら2つのステージを一体化しつつ、部品の削減や薄型化を図ること
で、高さを45mmまで低減させることができました。
応用のポイント:最適な構成で治具を製作
この事例で使用している薄型XY回転ステージ以外の治具構成部材も、弊社ミラック光学の
製品群をご採用いただきました。
- 薄型XYステージを置くスタンド
- ワークの形状を捉えるテレセントリックレンズ
- レンズを装着してピントを合わせるための摺動ホルダー
- モニタリングのためのCCDカメラとモニター
豊富なラインナップの中から、お客様のご希望に沿った最適な製品をアレンジしてご提供
することができます。どうぞお気軽にご相談ください。