"多機能送りねじ式ステージ" タグの付いた記事一覧
多機能送りねじステージを使用した傾斜角度検査治具の改善
機械部品メーカーにおける傾斜ポールの傾斜角度検査治具の改善事例です。
課題:傾斜ポールに対するセンサーの位置設定の作業性が良くありません。
ワークに圧入された傾斜ポールの傾斜角度を検査しています。傾斜ポールの上下部にセンサーホルダーを介してセンサーを配置して角度を測定します。
センサーの位置は位置調整板と高さ調整板をスライドさせて調整します。この時、各調整板のボルト2本(計4本)を緩めたり締めたりしなければならないため作業性が良くありません。
解決!位置と高さ調整板をステージに置き換えることで作業性が向上しました。
位置調整板と高さ調整板をそれぞれX軸ステージとZ軸ステージに置き換えました。センサーの位置と高さを変更するには調整板をスライドさせるのではなく、ステージのハンドルを回してストッパーをかけるだけで変更できます。
調整板のスライドで必要だったボルトの締付作業が不要になり作業性が良くなりました。また、スライド調整では困難だった微量の調整も簡単にできるようになりました。
多機能送りねじステージ[XTSC-90 / ZTSC-90]の特徴
- ハンドル1回転の移動量を使用用途に合わせて、それぞれ 2mm・5mm・10mm から選択できます。
- ステージ面:25mm × 40mm [共通]
- 耐荷重:29.4N [XTSC-90] / 14.7N [ZTSC-90]
- 移動量:±27mm [共通]
- 自重:0.14 kg[XTSC-90] / 0.18 kg[ZTSC-90]
- 本体材質:アルミ合金製
- 表面処理:梨地黒アルマイト
応用のポイント:薄くて小さいフロントロックステージ(FR-X)も採用。
センサーの位置と高さを調整するのに多機能送りねじステージを使用しましたが、センサーとワーク(傾斜ポール)の距離を調整するのに薄くて小さいフロントロックステージも採用しました。
従来は、センサーホルダーのセンサー固定ねじで距離を調整していましたが、この調整もステージに置き換えることで作業性がさらに向上しました。
多機能送りねじ式ステージを使用した除電装置の改善
樹脂成形メーカーの除電工程の装置改善事例です。
課題:イオナイザーの高さ調整の作業性がよくありません。
イオナイザーを使用して、成形品の除電作業を行っています。
ワークの大きさ(高さ)が変わると必要に応じて、イオナイザーの高さ調整を行います。
イオナイザーの高さ調整は2本のボルトを緩めて高さを決めた後、ボルトを締めて固定します。工具と両手を使う作業のため作業性がよくありません。
解決!イオナイザーをステージに装着することで作業性が向上しました。
イオナイザーを装着したステージを使用することにより、ハンドルを回すだけでイオナイザーの高さ変更ができるようになりました。
高さが決まったら、ステージのストッパーでロックすれば高さの固定ができます。
ハンドルもストッパーも片手で操作でき、高さの微調整も容易にできます。また、工具も不要なので作業性が格段に向上しました。
多機能送りねじ式ステージ(XTSC-90)の特徴
- ハンドル1回転の移動量を、2mm・5mm・10mmの中から用途に合わせて選択できます。
- ステージ面:25mm×40mm
- 移動量:±27mm
- 自重:0.14kg
- ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
- 表面処理:梨地黒アルマイト
- 他にも、全長 70mm/120mm/150mm(ハンドル部を除く)のラインナップがあります。
応用のポイント:ステージは使用状態(水平・垂直)により、耐荷重が変わりますので注意が必要です。
ステージには、耐荷重(ステージ面に搭載できる等分荷重)が定められています。
耐荷重は、モデルによって異なります。また、同じステージであっても水平状態(XY軸)で使用するか、垂直状態(Z軸)で使用するかでも変わってきます。
垂直状態(Z軸)で使用する場合の耐荷重は、水平状態(XY軸)での使用時の約半分が目安となりまが、ご使用前には正確な耐荷重を仕様書にてご確認ください。
多機能送りねじ式ステージを活用した絞り高さ検査治具
プレスメーカーにおける絞り工程後の高さ検査治具の改善事例です。
課題: レーザーセンサの高さ設定に手間がかかり、困っています。
絞り加工(プレス)した製品の高さをレーザーセンサで検査しています。検査する製品が変わるたびに、レーザーセンサが装着された高さ調整治具の高さを変える設定が必要です。
この治具の高さ設定は、まず2本のボルトを緩め、レーザーセンサが固定されたプレートを上げ下げして高さを決定し、最後に2本のボルトを締めて完了します。
2本のボルトは、「交互に、少しずつ」締めなければなりません。ボルトを締めている最中に、設定した高さが変わってしまうことを防ぐためです。
交互に少しずつ締める、その加減を間違ったりすると、決めた高さがすぐにズレてしまい、再度、高さの設定からやり直しになります。非常に作業性が悪く、手間がかかっています。
解決! 送りねじ式ステージで、簡単に素早く、正確な高さ設定ができます。
多機能送りねじ式ステージを採用しました。レーザーセンサの高さが、簡単に素早く、正確に設定できるようになりました。
送りねじ式ステージのハンドルを回して高さを調整し、位置が決まったらストッパーでロックするだけです。高さを固定するボルトを緩めたり締めたりする作業は必要なくなりました。
検査する製品が変わっても、すぐにレーザーセンサの高さを調整して対応できるため、以前のボルトで固定するやり方の時と比べて、治具の切り替え作業にかかっていた生産工程の時間的ロスを、大幅に低減することができました。
また、高さ調整治具の高さ設定範囲が6mmだったのに対し、送りねじ式ステージでは34mmもあるため、数種類あった高さ調整治具が、送りねじ式ステージだけで賄(まかな)えるようになりました。
多機能送りねじ式ステージ (ZTSC-70) の特徴
- ハンドル一回転の移動量を 2mm もしくは 5mm から用途に合わせて選択できます。
- ステージ面 : 25mm × 40mm
- 移動量 : ±17mm
- 自重 : 0.12 kg
- 他にも、全長 90mm / 120mm / 150mm(ハンドル部除く)のラインナップがあります。
- ステージ本体:アルミ合金製(スケルトンステージ除く、XYステージ 他 全ステージ共通)
- 表面処理 : 梨地黒アルマイト
応用のポイント:ハンドル一回転の移動量が長くすれば、回す回数を少なくできます。
長い距離を移動させる、また、その繰り返しが必要なとき、ハンドル一回転の移動量が小さいステージだと、何回転も何十回転もハンドルを回さなければなりません。高さなどの位置の調整は何度も繰り返す作業ですので、これだと少し大変ですよね?
逆に、ハンドル一回転で移動する距離を長くできれば、回す回数は少なくて済みます。それには、ハンドルの駆動部分が「多条ネジ」になっているタイプのステージがおススメです。
一般的なネジ(一条ネジ)は、1ピッチの間に1条の螺旋があります。他に、1ピッチの間に2条・3条と複数の螺旋があるネジもあり、これらを多条ネジと言います。多条ネジの場合、一回転で進む距離はネジピッチの条数倍になります。ちなみに、多条ネジは食品や調味料、日用雑貨等のネジキャップ付きのボトルなどに多く使われています。